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一度でいいから言ってみたい・・・第四章

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男意気を見せないと

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"あんた達は亭主のことをとやかく言えるほど上等な人間とは到底思えない"

"一度でいいから、誰かを養わなければいけない環境で生活してみろ !!"

"ああ- いい人いないかしら、
もう一度燃えるような恋がしたいだって ?、笑わせるな !! "
  
"自分の姿を考えてものを言ったらどうか "

"醜いだけなら、我慢もしようが、あんた達のその性根が許せない"
"今日まで苦労して、一緒に歩いて来た、亭主と名がついたたった一人の男性の機嫌もとれず、
  自分のことを棚にあげて、亭主を馬鹿にするような、
   下種で高慢なあんた達のような人間には、こんな言葉は似合わない、絶対似合わない !!。


私は食事の間中、こんなふうに憤慨していた。
哀れなご主人達のためにも、ここはひとつ義憤の愉悦に浸りたいと決心した。
帰り際、一言注意をしてやろうと勇気を持って一歩前に出た。
その時、通路側の席に座って、一番よく喋っていた女性と目が合った。
力士のように太って貫禄のある女性だった。

顔が腫れたように肥満していたため、目が細く糸を引いていたが、
私を一瞬凝視したその視線は真に厳しく、険阻であった。
私は一瞬たじろいだ。
そしてそのまま何も言わず、いや言えず、
三人の横をニコッと微笑んで軽く会釈をし、
穏かな品性と品格を兼ね備えた笑顔を添えて、
紳士のごとく振舞いながら、
堂々と,真直ぐレジのところに向かってしまった。
大変、大変怖かったのであります。
可能な限りの平静さを保ち、支払いを済ませて外に出た。

私はいつも威勢のよさが形になって表れない。
心はいつも正義感を振りまいて、真に立派なのであるが、
いざという時、ちっとも行動に表れないのである。
考えて見れは、今まで、家内一人に対しても言い勝ったことのない私が、
見ず知らずの女性、それも三人もの女性を前にして、
その振る舞いを注意するなんていうことそのものが、不可能なのである。

  "まあ・・・今まであんな女性をのさばらせてきた亭主の無能さこそ、
   責められるべきではないだろうか"、
      と、なんだか変に納得したのであります。


ただ、三人の女性に注意をするどころか、
穏かそうに、微笑んで、大人の雰囲気を漂わせながら、
紳士面をして通り過ぎた私が許せないのである、情けないのである。
だから・・・
あの三人の前に立って注意をしている雄雄しい私を想像しながら、
心の中で叫んでやったのです。
 
"愚か者、役立たず、色ぼけ、醜女、恥知らず !!

   外は 雨が降っていた・・・・。
                                   

                                           おわり












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~ Comment ~

 

楽しい短編、ありかとうございました。 おもしろかった。
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