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ある一家の崩壊   第ニ十章  最終章

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 ⋆父よ母よ故郷よ

父さん・・゛僕達が父さんの悔しさを晴らしてあげる・・・僕たちが立派になってきっと
おじさんやおばさんに反省してもらうから、二人の子供達が言った。
清ニが平田家の財産を狙ったとか、無理難題を吹っかけて、みんなを苦しめたとか、
こんな事実と全く異なることを言われ続けて20数年、
清ニの苦しむ姿を見てきた子供が言ってくれた言葉だった。
そして今、清ニの長男は、総合病院の医師となり、現在内科医局長として活躍し、
次男は歯科医師として開業し、社会に貢献している。

次の言葉は母が生存中、母が清ニに言って聞かせた言葉です・・・・

清ニ・・がまんしんさい堪えんさい
自棄をおこしてはいけんよ
自棄を起こして良くなったことは一つもない
がまんしんさい
どうしても我慢が出来ないのなら
私に当たりんさい
私は目が見えんし 体も動かんから
お前に何もしてやれん
お前をかばってやることも出来ん
親なのに何もしてやれん
お前の口惜しい気持ちを聞いてやるしか出来ん
それが情けないんよ 悔しいんよ・・・
すまんのう すまんのう
お前がそういう顔をするということは
よっぽど辛いんじゃのう
泣きんさい 泣いてもいいから泣きんさい
私の前で泣いてもいいから泣きんさい
ひとつも恥ずかしゅうないから・・
お前がこんなに辛い思いをしてるというのに
私しゃ・・何もしてやれん
お前をさすってやるしか出来ん
許してちょうだい
私を許してちょうだい・・・

積年の病弊に身の置き場もなく
艱難を沈黙の衣でつつみこみ
母の枕辺に座して心を震わせる清ニに
母は子供のように声をあげて泣いた
清ニを思って泣いた・・・・


以下は清ニが書いた詩作です。
*母の箴言

口惜しかった
辛かった
真情を吐露することも叶わず
自棄にかられて 病む母に
義憤をもって当たり散らした・・・
"お前でよかった お前だからよかった
その哀しみその苦しみは
他の者では耐えられぬ
お前でなければ越えられぬ
だから
お前でよかったんよ"

私は今日まで
狂わんばかりの憤怒の心を
母のこの一言で耐えた来た
今はもう
会うことも
声を聴くことも叶わぬけれど
母の一言は耀よう言霊となって
私の中にある
父が逝き 母去りて幾星霜
今 故郷の山にねむる父母(ちちはは)よ
寒くはないか・・・・


清ニを心から愛しく可愛がっていたこの母の残した遺産を、
敬子、好江、国男、美子が、清ニに無断で、内緒にして、四人で分割分配し、
清ニ対しての無配の処置はいまだ放置されたまま。

彼らはきっと母の逆鱗にふれて、現世で因果応報の悲しみを経験するかもしれない.

国男も好江もすでにこの世に存在せず、妹は病の進行で十分な日常生活もままならず、
悪党の矢田敬子夫妻には、孫か奇形児となって彼らの生活を脅かしている。

一番の哀しみは、彼らの子供たちが自分の親がどんなことをしでかしたかわからず、
悪いのはすべて清ニと思い、現在もなを我が親は正しいと思っていることである。
当地では、彼らの親がどんなことをしでかしたかということは
周りの大半の人が知っていることなのに・・・

清ニは今、沢山の人達に囲まれ、大変幸せである。
いつの日か命の終を迎えた時、
胸を張って亡き父母に会えるよう、今日を生きている。

そして今日、故郷の友から電話があった・・・
 "おい、清さん、故郷に帰っておいで、みんなあんたが帰ってくるのを楽しみにしてるよ"

清ニは今やっと、心からの感謝の心でお墓参りが出来る。
そして長き孤独と決別し、笑顔の中で今日を終えることが出来る。

* 長きにわたって愛読いただき、ありがとうございました。
  今日で脱稿いたします。
                  平塩きよたね




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